【新書】過剰と破壊の経済学 「ムーアの法則」で何が変わるのか? | 本を片手に街に出よう

【新書】過剰と破壊の経済学 「ムーアの法則」で何が変わるのか?

過剰と破壊の経済学 「ムーアの法則」で何が変わるのか? (アスキー新書 42) (アスキー新書 42)/池田 信夫

¥760
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内容紹介
 「半導体の集積度は18ヶ月で2倍になる」――インテルの創業者ゴードン・ムーアが1965年に提唱したこの法則は、急速な変化を続けるコンピュータの世界にあって、いまだ生き続けています。
 この「ムーアの法則」は、単にIT業界に影響を与えているだけではありません。世界中のすべての人がコンピュータとネットワークでつながる現代においては、産業構造や経済システムそのものを破壊し創造するほどの威力を持っているのです。
 「ムーアの法則」によって、これまでに何が変わり、これから何が変わろうとしているのか? 揺るぎなき論理と切れ味抜群の筆致で、IT論壇随一の説得力を誇る著者が、グローバル資本主義社会の未来を展望します。
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 ご本人が「万人向けに読みやすく」と仰るだけに、読みやすいです。

 情報インフラが過剰なまでに性能を向上した結果、あらゆる情報伝達コストはゼロに収束してゆき、結果として物理的なモノの分配コストも著しく減少させる。
 これがいわゆるグローバル経済ってやつなのでしょう。

 そのなかで、一時的に情報や物理的なモノに対する「制約」を設けることによって、ギャップを生み出し、金儲けをするという行為は、一時的には上手くいっても、最終的にはグローバル経済の流れに飲み込まれて、跡形も残らない。

 この流れに飲まれないためには、グローバル経済において行われている「生み出すモノ、サービスに宿る本質的な技術力や魅力によってなされる、真の実力勝負」のなかに身をおくしかない。

 読みながら、そんな決意がみなぎってくる良書です。

 主張の分量が少なめで、第三者的に状況分析している内容が多く、抑えの効いた内容です。それがかえって危機感を感じさせる。

 特に、近視眼的な規制や保護を作り出している張本人達には、課題図書として読ませたいですね。