本を片手に街に出よう -6ページ目

【小説】ひとり日和



青山 七恵
ひとり日和

 限りなくフツーっぽいかわいらしさが魅力の綿矢りさの車内広告につられ、思わず買ってしまった文藝春秋 2007年 03月号
 そしたら第136回芥川賞の受賞作全文掲載じゃないですか。

 で、何はともあれ読みました。

 全体をユルユルでダルダルな感触で覆われ、何とも言えないアンニュイな魅力がありますね。
 でも20歳女性の持つ、きめ細かくて内向的な感性の鋭さをひしひしと感じます。
 ゆっくりなんだけど、痛いパンチを食らっているような。

 実際、電車を降りて、食事をしようとファミレスに入ったのですが、しばらく注文を忘れて読みふけってしまいました。

 ところで文藝春秋のほかの記事で「芥川賞10大事件の真相」というのがあったのですが、興味深かった。

 あの松本清張も受賞してたんですね。後年のイメージから考えると、ちょっとびっくりです。

 というわけで、ひとり日和、ナニゲに単行本買うより文藝春秋を買ったほうが安かったりするのですが、三連休の中日で何もすることがない、みたいな、そんな日に読むと限りなく時間の進みが鈍化して、いいかも知れません。


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姫沙羅

姫沙羅 ぶらり途中下車よろしく、のんびり読書しながら三島まで行ってきました。
(といっても会社サボっているわけじゃあないです!期待される成果をあげているかは微妙ですが)

 近年は池袋から湘南新宿ラインで東海道線直通だから三島なんてチョロいぜ!なんて素人考えを抱いていたのですが、実はJR東日本の勢力圏は熱海まで?

 Suicaグリーン券も熱海までだし、熱海で昔ながらのオレンジ緑の短い編成の電車に乗り換えだし。
 三島駅を出るとき自動改札が使えなかったときには、なんだよ!どのJRももともとは国鉄だったんだから、連携してよ!と思わず舌打ち。

 まあそんな鉄道ファンなら「たりめーだろ」みたいな事実に興味シンシンながら、三島に到着。

 ぶっちゃけ最初は三島駅から徒歩10分程度の近場にある「うなよし」に入ろうとしたですよ。

 ところが。ガラっと扉をあけると、インディーズバンドのライブハウス並みの人口密度で、通路いっぱいに並んでいるじゃあありませんか。
 一時間は待つよ、みたいなノリで、「はるばる三島まで来て一時間空腹のまま時間をどうやってつぶすか思考不能」状態に陥ります。

 で、何を思ったか、じゃあ伊豆半島の別の店に行くぜ!ってなことで、伊豆箱根鉄道に乗って、ぶらり途中下車、目指すは「姫沙羅」。

 富士山が良く見える田舎町を徒歩10分強、なんとか店に到着しました。

 こちらも尋常じゃなく待ち人がいるものの、店も大きくて待つこと20分強、座席へ案内されます。

 ぶっちゃけ「とんかつ」なんかも惹かれるものがありましたが、目的を忘れてはいけません。しっかり「鰻重」を注文し待つこと15分、横長の重箱に焦げ目も派手な3枚の蒲焼が敷き詰められて到着です。

 味のほうは…まじすか!見た目どおり、焦げ目が多少きつめですが炭火の風味が如何なく発揮され、旨いの何の!

 身も引き締まっており硬め。米も硬め。タレは少なめ。自分的ベストコーディネートで、大満足です。

 茶碗蒸しもついて、¥2,500-の超魅力的な一品です。

 今回は時間の都合で三島観光はできませんでしたが、結構、情緒のありそうな場所ですよね、三島って。

 しかも、流石は静岡。鰻に関してはやっぱりスゴイっすね。

 ちょっとした小旅行ですが、はるばる出向いた甲斐があったってもんです。


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【読み物】超・格差社会アメリカの真実



小林 由美
超・格差社会アメリカの真実

 格差社会って言葉が主にマスコミによって半ば強引にはやり言葉に祭り上げられてる感があるニッポンですが、元祖、格差社会のアメリカ。しかし、その格差の生まれる構造はニッポンとだいぶ違うみたいです。

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内容(「BOOK」データベースより)
 アメリカの豊かな中流家庭は、なぜ貧困層へと転落したのか。富の6割が5%の金持ち層に集中、国民の3割が貧困家庭。日本の明日がここある。

内容(「MARC」データベースより)
 富の6割が5%の金持ち層に集中。国民の3割が貧困家庭。アメリカの豊かな中流家庭は、なぜ貧困層へと転落したのか。日本もそうなるのか? アメリカ社会の構造とその生成過程について、自らの経験と知見をもとに検証する。
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 著者はニューヨークとシリコンバレーで日本人初女性エコノミスト、証券アナリスト、コンサルタントとし26年間活躍してきた方だそうで、説得力としては申し分ないでしょう。
 なんせ、実際アメリカに長く住んで働いてんですからね。

 身近な人たちのケースを通じて格差を説明するくだりは説得力があります。

 さすがエコノミストだけあって経済系の各種データも多数出てきますが、決してマクロな分析だけにとどまらず、先に述べた身近な人たちのケース・スタディや、アメリカの建国以来の歴史的な経緯を通じてのアメリカ社会の構造解析など、眠くならずに興味深く読み進められる内容になってます。

 気になったのは、学の少ない自分にとってはたまに???な用語が出てくるところ。特に経済とキリスト教関係は厳しかった。
 レッセフェールとか、メソジストとか、バプテストなんてのを、Wikipediaしまくりですわ。

 あと、ちょっと詰め込み感はありますね。言いたいことはシンプルなんだけど、その主張を際立たせるべく、いろんなエピソードがドップリとふりかけられてる感じ。

 この本を読んでつくづく思うのは、やっぱり、教育ってのは大事だなあ、と。

 そういう意味では、現政府の教育改革重視は着眼点としてはいいと思うんだけど、内容はいろいろな批判や紛糾があるみたいですね。

 教育改革の内容は不勉強なので論ずることができないが、こういう本を使ってアメリカの歴史や社会構造を紐解くっていうのも、ほんとはアタマも自分の将来像も新鮮な若いころにこそやっておくべきことであるような気もする。

 1192つくろう鎌倉幕府、なんて現代では特に役にも立たないし、実は正確な事実でもないようなことを一生懸命暗記するよりはマシでしょう。きっと。


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メガマック体験

メガマック 一時はスーパーサイズ・ミーなんかの影響もあって散々たたかれたマクドナルドだが、開き直りともとれる1個754キロカロリーのメガマックがナニゲに売れているらしい。

 そこで、ミーハーなワタシ。食べてみちゃいました。

 もともとマック(関西ではマクドと呼ぶらしい)の食べ物はあんまり食べないほうだが、いまの20~30代はほんとにマック好きが多いような気がする。

 さてメガマックのお味は…確かに肉がすごいボリュウムだけど、味があんまりないような…トマトが入ってソースもたっぷりのモスバーガーのほうがやっぱりおいしいかも。

 ところで都内数店舗で試験的にメガテリヤキとかメガフィレオフィッシュ、なんてのも出ているようだ。
(新聞記事はこちら

 マックはそれほど食べないといっておきながら、見かけたら、きっと1度は食べるに違いない。


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レントラックジャパン
スーパーサイズ・ミー 通常版

【小説】アフターダーク



村上 春樹
アフターダーク


インフィニシス
After Dark NEXT GENERATION

 昔、たまに出張などで大阪や福岡のような地元東京以外の都市にいくと、夜中に意味もなくファミレスに出かけたりして、見知らぬ街の人々の営み、息吹みたいなものを感じながら、さほど意味もなく物思いにふけったりしたことがありました。

 若いころって、なんか夜がやたら長くて、おきていようと思えばずっとおきていられて、それでいて何か面白そうなことがおきそうな、そんな感覚がありましたが、この本を読むとそんな昔のことを思い出します。

 深夜零時から朝まで、夜の街を舞台にまったく違う境遇と思想を持つ登場人物たちが、鉢合わせとすれ違いの微妙な狭間のような接点で絡み合う。
 時間軸に沿って幾つかの場所が多極的に描写され、意味深な伏線めいたものが控えめにちりばめられる。

 なんとなく春樹っぽい感じはします。

 でも、この登場人物たちはちょっとワザとらしいキャラ作りで感情移入はしにくい。
 謎めいた伏線だけ残して、物語も朝が来るとぶっつり終了するし。

 何とも言えないアンニュイで意味消失気味な会話で紡がれる物語の進行そのものが、まさにアフターダークですね。
 なんていうか、真夜中に熱帯魚の水槽を泳ぐいろんな種類の魚達をずっと眺めているような、そんな感じです。

 眠れない夜に、どうぞ。

 アタマも天気もどピーカンの真昼間に読むには、若干消化不良気味。


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